大学入試に対応するための小論文について学習をしていきます。まずは基礎講座で小論文を書くための力を育成していきましょう。
小学生・中学生がよく書かされるのが感想文であるが、大学入試や大学入学後に必要となるのは小論文(論文)である。高校生の中には、感想文と小論文の違いが解らず混ざっている。では、2つの違いは何なのか?
感想文に関しては、自分自身が感じたことを書くことが感想文である。そのため、感じ方は人それぞれなので正解はない所である。映画を観て、「面白かった」「人物背景に興味を持つようになった」「当時の歴史について深く知りたいと思った」など正解は無数ある。もし、間違いがある場合であれば文章表現の使い方など、内容より表現方法ぐらいである。ただ、実際には授業の感想文・オープンキャンパスの感想文を書いてもらうと肯定的な意見が多い。授業の感想文の中には、否定的な意見を注意される場合もある。例えば、授業のビデオの感想で「あまり面白い内容ではなかった」と書いた際に、コメントで「何で面白くないの。○○は興味深いでしょう」と書かれたことがある。ただ、感想文は感じ方なので面白くないと感じたらそれが正解である(ただし、文章表現は幼稚であったが)
小論文は何かのテーマに対して自分の意見を書き相手を納得させる文章である。そのため、①何のテーマで話しているか(問いの設定)、②自分の意見、③説得するための論理的な文章作成の3点が必要となる。特に、高校生が苦しむのは③の論理的な文章の作成であり、感情論や曖昧な内容になっている場合が多い。
非常にわかりやすいのが問1と問2である。感覚的に感想文だとわかる中高生も多いだろう。ただ、良く間違えるのは問3である。もちろん、問3も感想文である。ただ、少子高齢化や社会保障などの言葉を使われることで難しい文章だと考えてしまうが、不安に感じたと言っている様に感想文になる。
小論文と感想文の大きな違いは、①問いの設定がある、②「YES/NO」で自分の立場を明確にする、③読み手を説得する文章を作成する必要があります。
感想文は自分自身が感じた内容なので相手を説得するのではなく感じたことを伝えることが重点になります。一方で、小論文は相手を説得する必要があります。要は、自分の考えを相手にわかってもらうために論理的な文章をつくる必要があります。そして、そもそも何について相手を説得しようとしているかを明確にしましょう。それが、「問い」の設定です。例えば、「異文化理解を進めるために何をすべきか」「子どもはSNSを禁止すべきか」「大学に言う理由は何か」などになります。この問いで何について話すかを知ることができます。
小論文では「YES/NO」の立場を明確にする必要があります。どちらの立場に立っても間違いではありませんが、問2の様にボランティアの参加については、看護医療系など奉仕精神を求めている学校ではNOの立場で書かないことが無難でしょう。それ以外にも道徳的に良くない方では入試用の小論文では避けた方が無難になるでしょう。
小論文に関しては、採点のポイントに①文章の使用方法、②文章の構成、③文章の内容の3点があります。細かい内容は次回に取り組みますが、まずは落ちない文章の書き方をする努力をしましょう。